遺産である不動産を評価する場合に、参考にするべき公的評価として、固定資産税評価額、公示価格、都道府県地価調査標準価格、路線価があります。
① 固定資産税評価額
固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税等を計算する際に基準となっているものです。
土地家屋課税台帳等に登録された基準年度の価格又は比準価格であり、3年ごとに評価替えが行われています(もっとも、地価変動の大きい場合には、修正が加えられています)。
② 公示価格
国土交通省土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示しています。一般の土地取引の指標となっているとともに、土地の相続評価および固定資産税評価についての基準にもなっています。
③ 都道府県地価調査標準価格
都道府県知事が、毎年7月1日時点における基準値の標準価格を判定するものです。土地取引に関する規制の価格審査や地方公共団体等による買収価格の算定の基準となっています。
④ 路線価
毎年1月1日時点における土地の価格を示すもので、相続、遺贈や贈与によって取得した財産の相続税及び贈与税を算出する場合に使われます。
路線価は毎年8月頃に国税庁から公表され、国税庁のホームページで確認することができます。
不動産の評価額については、これらの公的な不動産の評価基準を参考にしたり、或いは、不動産業者の査定書に基づいて、共同相続人間で不動産の評価額を合意することも多いと言えます。
もっとも、不動産の評価について共同相続人間に争いがある場合には、不動産鑑定士に評価額を鑑定してもらうことが必要となる場合もあります。