遺産分割協議では、遺産分割に関して共同相続人間で合意が成立した場合、協議の内容を証明するため、一般的に遺産分割協議書を作成します。後になって協議の蒸し返しを防ぐためにも、書面を作成しておくことが望ましいでしょう。
遺産分割協議書には、共同相続人全員が署名・押印する必要があります。
遺産分割協議書を作成する際には、次のような点に注意する必要があります。
① 誰がどの遺産を取得するのかを明記します。
② 共同相続人の住所や氏名は住民票や印鑑登録証明書に記載されているとおりに記載します。
③ 捺印は実印で行います。
これは合意が本人の意思に基づくことを証明すると同時に、登記の際の「相続を証する書面」として使用するために必要となります。
④ 共同相続人の人数と同じ通数の遺産分割協議書を作成することが望ましいでしょう。
⑤ 銀行や証券会社によっては、自社専用の要式の用紙に相続人全員の署名押印(実印)を要求されますので、あらかじめ銀行等に確認し、必要であれば、遺産分割協議書に対する捺印と同時に、専用書類への押印を済ませておくと良いでしょう。
遺産分割協議では、主として遺産の分配や帰属を話し合いますが、付随する問題として、相続債務の整理・分担をどのように行うか、葬儀費用等の清算をどのように行うか、祭祀承継を誰が行うかなどの問題を話し合うこともできます。
遺産分割協議書が作成されれば、それに従い相続登記を申請したり、相続税の申告を行います。また、銀行等の金融機関に対して、預金の名義変更や解約を行うことになります。