遺言執行者はどのような義務を負うのでしょうか。

遺言執行者は次のような義務を負います。

① 任務の開始義務(民法1007条、1010条)
遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。

② 財産目録の作成・交付義務(民法1011条)
遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない。

③ 善管注意義務(民法1012条Ⅱ・644条)
遺言執行者は、委任の本旨に従い善良な管理者の注意をもって遺言執行に必要な行為をなす義務を負う。

④ 報告義務(民法1012条Ⅱ・645条)
遺言執行者は、相続人の請求があるときはいつでも遺言執行の状況を報告し、また遺言執行の終了後は遅滞なくその顛末を報告することを要する。

⑤ 受取物等の引渡し義務(民法1012条Ⅱ・646条)
遺言執行者は、遺言執行の任務遂行として相続人のために関係者から受領した金銭その他の物や収受した果実、相続人のために自己の名をもって取得した権利を、相続人に引渡しないし移転しなければならない。

⑥ 補償義務(民法1012条Ⅱ・647条)
遺言執行者が相続人に引き渡すべき金額またはその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときはその消費した日以後の利息を支払うことを要する。なお損害があるときはその賠償の責任がある。


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