法定相続人であるのに、相続人になれない場合がありますか(相続の欠格の場合)。

民法891条所定の事由(相続人の欠格事由)に該当するものは、相続人となることができません。これを相続の欠格と言います。

民法は5つの欠格事由を定めています。

相 続 欠 格 事 由
故意に被相続人等を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者
(ただし、相続人に是非の弁別がないとき等はこの限りではない)
詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更した者
相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

相続の欠格は、相続人や相続秩序を侵害する非行のあった相続人の相続権を制裁として剥奪する制度です。

欠格は非行者自身への制裁ですので、欠格者の子には代襲相続が認められます。

共同相続人の間で、特定の相続人の欠格事由の有無が争点となった場合、相続権の存否を確認する訴訟において、欠格事由の有無が判断されることになります。

相続の欠格事由の有無は遺産分割の前提問題となります。
遺産分割協議は共同相続人全員で行う必要があるため、相続資格のない欠格者が参加してなされた協議や、本来相続人となるべき代襲相続人を除外してなされた協議は、原則として無効となります。
このように相続欠格の有無は遺産分割の前提問題として重大な影響を与えます。

(記事更新日 2026.4.14)

この記事の監修者
弁護士 白川 謙三

弁護士 白川 謙三(大阪弁護士会所属)
大阪・北浜の平野町綜合法律事務所代表
弁護士23年目。相続、遺言、遺産分割、高齢者の財産管理などの解決事例多数。
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