郵便貯金についても、銀行預金と同様の扱いがされます。
即ち、法律上は、郵便貯金も、相続の開始とともに当然に分割され、各相続人に法定相続分に応じて帰属することになります。
そして、ゆうちょ銀行は、一部の相続人からの法定相続分に応じた郵便貯金の払戻し請求に応じる対応を取っています。
ただし、郵政民営化がされた平成19年10月1日以前に旧郵便局に預けた定額郵便貯金は、扱いが異なります。
平成19年10月1日以前の旧郵便局に預けた定額郵便貯金は、遺産分割の対象とするのが実務の取り扱いです。
これは、旧郵便局の定額郵便貯金は、郵便貯金法により、分割払戻しができないという契約上の制限が付されていることから、一部の相続人による分割払戻請求が許されない扱いになっています。
よって、平成19年10月1日以前に旧郵便局に預けた定額郵便貯金は、各相続人が自分の法定相続分に相当する部分の払戻しを請求することができません。なお、これは、郵政民営化がなされて久しい現在でも同じです。
遺産分割調停では、平成19年10月1日以前の定額郵便貯金については、共同相続人のうちの一人を代表者とし、代表者以外の共同相続人が代表者による払戻しに協力するという合意を成立させています。